保険・共済の事務委託・業務委託
保険・共済は、定められた期間中に起こる保険事故に対してサービスを提供するという意味で長期にわたる契約であり、その内容も、死亡、傷害、疾病、火災等の公共性を持ったものとなっているため、業務運営体制は厳格なものが求められます。
保険・共済の日常業務は、
- 募集人の管理
- 新契約の受付け
- 契約の維持管理
- 保険金・共済金の支払
- 業務管理
に大別されます。
- 募集人管理は、募集人の属性管理と販売状況や手数料支払い状況などの管理と募集人教育となります。
- 新契約の受付けは、契約申込書等による引受けの可否の判断、判断結果の連絡、契約内容の登録、顧客等からの問合せの対応(コールセンター業務)、等になります。
- 契約の維持管理は、毎月の保険料等の請求・入金確認・未納対応、契約内容の変更処理、解約処理、顧客等からの問合せの対応、等になります。
- 保険金・共済金の支払は、支払請求書等による支払の可否の判断、判断結果の連絡、支払処理、等となります。
- 業務管理は、募集人登録状況、販売状況、契約継続状況、支払状況の管理等と、募集資料や各種帳票類の在庫管理になります。
認可・登録が必要な保険・共済では、認可等の審査の際にも監督官庁からヒアリングを受けることが想定され、実務の体制が整っていなければ、営業の開始はできません。内部態勢の整備とあわせて、業務運営の体制の整備が必要となります。
尚、監督官庁のある保険・共済においては、監督官庁により異なりますが、月次決算/半期決算や年度決算の資料提出が必要となります。また、ヒアリング等により、業績、コンプライアンスの面から社内検査(引受可否や支払可否の妥当性の検証も含む)実施、募集人の定期的なトレーニング等の実施状況も求められます。
事務委託・業務委託のメリット
保険・共済運営に関する事務・業務の大半は外部の専門業者に委託することが可能です。が、すべての業務の最終決裁は、それぞれの企業・団体で行う必要があります。これらの業務をすべて内製化することも可能ですが、毎月の販売状況にはバラつきがありすべてを内製化することは、大きな事務負荷となるため、専門業者に事務委託・業務委託をすることをお勧めします。
特に、小規模な保険・共済においては、募集管理、契約引受管理、保険金・共済金支払管理、決算数理計算などの各々に、実務経験者を配置することは不可能ですから、専門知識を有する業者へ外部委託することで、コスト削減を図ることが必要です。